江陵端午祭旅行記 2007年 4
これはグッというよりは、遊びに近いです。巫女さんのグッが終わってから今まで楽器を演奏していた楽師たちが、お笑いのような芸を披露してくれるのですが、ちゃんと理由とストーリーはありますが、ちょっと忘れてしまいました。しかし、今まで女の巫女さんとは違い男が登場することによってさらに場が盛り上がるような気がしました。これが終わる前に私は会場を後にしました。また巫女さんのグッに見せられたら今日中に帰ることはできないと思ったからです。
グッを行う人をムダン(Mudang)と言いますが、端午グッのMudangは、占いや予言などをする降神巫と違って、その地域の住民たちの宗教的な欲求を満足させ、純粋なシャーマンの儀式を仕切る役割をする世襲巫で、この世襲巫は家族単位で受け継がれているそうです。世襲巫では女だけが巫女になり、男は楽器を演奏するのが普通です。
グッとMudangは、韓国だけあるだろうと思ったのですが、日本の沖縄にも降神巫(ユタ)と世襲巫(ノロ)があるそうです。沖縄のノロは消滅したそうですが、韓国の東海岸と南地域にはまだ世襲巫が活動しています。今回端午グッを見ながら綺麗なお嬢さんが目立ったので不思議に思いましたが、端午グッの巫女は世襲巫だから、血のつながりのある人たちが行っているそうです。それにしても今時若い人たちがシャーマニズムの風習を受け継ぐっていうことも珍しいなと思いました。
体の調子が悪くて計画より早く帰るのは惜しいけど、去年の端午祭で見逃した物が分かって満足でした。短かったけど今年も来てよかったと思いながら、橋を渡りました。橋の上から見た祭り会場は、午後から夕方に変わる炎のように燃えている太陽で、極端なコントラストを現していました。去年と違って、江陵端午祭の一番の見所はやっぱり端午グッだったなと・・・二度目に来てそれがやっと分かったことに満足げな気持ちで、橋を渡り、橋の上から川や遠くに見える大関嶺を見、橋を歩き詰めたところでタクシーに乗りました。
タクシーで10分くらい走って江陵市外バスターミナルに着きました。料金は2300W。昨日までは調子も悪いし、去年とあんまり変わらないかなと思い、午後から海や港見物でもしようかなと思ったのが、いつの間にか一日中端午祭を見ていました。東ソウルターミナル行きのバスに乗って、来年はまだ見ていない他の端午グッと、山神祭も見なきゃなと思いました。それよりおれ一人だけいい物を楽しんで良いのか・・来年は何とかして沢山の人に見せなきゃ ・・・ 終 ・・・ 2007.6.21