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霊山斎旅行記

ソウルの西大門区(서대문구)にある奉元寺(봉원사)では韓国重要無形文化財第50号の霊山斎(영산재)が世界平和および韓国の統一を祈願して毎年行われている。霊山とは霊山会相の略で、釈迦がインドの霊鷲山で説法をした集まりのことで、その当時の光景を象徴化した儀式であり、生きている者と死んだ者が一緒に真理を悟り乱苦得楽の境地に至るという意義がある。霊山斎は生と死で別れた私達が仏様の教えの中で一つになって再び出会うことを仏様の前で祈願する最大に荘厳な仏教儀式なのである。

前からこの霊山斎を見たいなと思っていたものの今年の6月6日にようやく足を運ぶことができた。11時頃家を出て富川駅から1号線で新道林駅(신도림역)まで行き、新道林駅から地下鉄2号線に乗換えて新村駅の4番出口から出た。霊山斎が行われる奉元寺(봉원사)行きの7024番バスが新村駅の4番出口の所にあると聞いて、4番出口にあるバス停に行ったけど普段バスにはあんまり乗らないし、ソウルのバス停は中央線沿いにも設けられていてよく分からなく30分ほど迷った。結局通り過ぎて行く7024番バスを見てからバス停のある場所が分かり乗ることができた。7024番バスは新村駅からロータリーを右に曲がって名物の道(명물거리)→延世大学校(연세대학교)→梨花女大(이화여대)→奉元寺入口を経て終点の奉元寺に到着したのが午後の1時過ぎだった。

霊山斎会場
<霊山斎>→動画を見る

終点の駐車場には24時間サウナ(찜질방)があり、このお寺は町の外れにあり、山への入口に位置していた。奉元寺は新羅時代(西暦889年)に延世大学校がある場所に般若寺という名前で創建されたが、1748年に今の名前で今の場所に移ったと言う。韓国仏教太古宗の総本山であり、霊山斎保存会付設の玉泉梵音大学(옥천범음대학)をもって霊山斎に必要な作法や仏教音楽などを教えているのが特徴だ。霊山斎は1・2・3部に分かれて行われるけど、私が到着した1時半には1部が終わって変える人たちも見えた。関係者に2部はいつ始めますか?(2부는 언제 시작해요?)と聞いたら2時から始まると言う。パンフレットを買うついでに霊山斎が行われる時期について、もしかして霊山斎の定期公演見たいなものがあるんですか?(혹시 영산재 정기공연 같은 게 있나요?)と聞いたら毎年6月6日は確実に見られると言いながら昔は3日間昼夜を通して行われたと言った。8月の終り頃に蓮祭りを開催し、この時霊山斎も行われるが定期的ではないと言われた。

哱囉踊りと着服舞

哱囉踊
<哱囉踊>→動画を見る
着服舞
<着服舞>→動画を見る

2部が始まり待っていた哱囉踊り(바라춤)が踊られた。哱囉(鈸羅:바라)は中東地域のChalparaという楽器の漢字語でシンバルの形をしていて、仏教音楽で多く使われている。この哱囉をお坊さんが両手に持って踊るのを哱囉踊りと言う訳だけど程よく節制された動きと哱囉の音が荘厳な雰囲気を作りとても魅力的に感じる。韓国語で作法(작법)は日本語と違って仏教儀式の斎を行う時に踊る踊りのことを意味しているが、読経を読むような一見退屈になりそうな行事の所々に入る作法(哱囉踊・着服舞・法鼓)のおかげで霊山斎は盛り上がるし、これを見たくて殆どの人がこの時期このお寺に訪れる。

午後の2時半から始まった2部が5時が過ぎたのにまだ続いていた。この後も哱囉踊や着服舞(나비춤)などが続くだろうけど来年またゆっくり見るつもりで奉元寺から降りて駐車場に向かった。駐車場にはちょうど7024番バスが停まっていたのですぐに乗り込んで座席に座っていたらこのバス新村行きですか?(이 버스 신촌 가요?)という誰かの声が聞こえて、このバスは新村に行くバスじゃなくてソウル駅行きのバスです(이 버스는 신촌으로 가는 버스가 아니라 서울역으로 가는 버스예요)という他の乗客の声が聞こえて来た。7024番バスには2種類のバスがあり、一つはソウル駅、もう一つは新村駅行きになっている。私はバスから降りて歩いて山を降りて町に出て他のバスでも乗るつもりで10分ほど歩いてバス停でバスを待っていたら新村行きの7024番バスが到着した。乗って見ると新村へ行く時は延世大学校の中を通って京義線の新村駅を経て、2号線の新村駅に向かった。7024番バスはどうも奉元寺が持っているようだった。

電車の中で霊山斎のパンフレッドを読みながら来年もまた時間ができたら霊山斎を見に来たい。今度は10時から始まる1部から見てみたいと思った。1部~3部に別れて行われる霊山斎は1部は10時から、2部は14時から始まりすべて終了するのは午後の5時だと言われたけどどうも午後6、7時までには続くらしかった。(2011.6.6)