利川陶芸村
韓国京畿道利川市はお米が美味しいことや利川温泉そして陶磁器で全国的に有名なところです。2008年5月頃に利川陶芸村(이천 도자기마을)を見に行ってきたのですが、昔ながらの登り窯に未だにこだわり続けている陶芸家がいて印象的でした。
韓国京畿道利川市新屯面水廣里周辺には数十箇所くらいの窯がありそれぞれ陶磁器を作っていますが、現地の人に聞いた所最近はガス窯の利便性から昔からの登り窯を使っている陶芸家は数少なくなっているそうであす。
恒山陶窯
韓国の白磁は、その品格の高さと優雅な形態によって日本の方々に広く愛され続いております。その白磁を利川の水広里において無心に真の作家精神をもて作り続ける陶芸作家恒山林恒澤(항산 임항택)氏の作品をここに紹介することは誠に慶ばしいことと存じます。林恒澤氏は、わが韓国の数多い陶芸作家のなかでも白磁の分野では第一人者の誉れ高い作家であります。
恒山林恒澤の白磁は、その壺の形、絵付けの技術において朝鮮白磁の伝統を受け継ぎながら、単なる模倣にとどまらず、繊細かつ大胆でおおらかな美を陶肌の上に結実させて見るものを魅了させます。林恒澤の白磁には青(青磁)と茶(鉄砂)と朱(辰砂)の三色だけが使われていますが、特に辰砂と鉄砂の発色は高い評価を得ています。いまでは数少なくなった伝統の登り窯にこだわり、染付けの図柄も実物のスケッチをもとに描くという作家の思想がその作品に反映されているからにほかなりません。
(※1995年東京京橋ギャラリーくぼたにての展示会をひかえて駐日大韓民国大使館文化院の院長朴正浩氏より)※恒山林恒澤氏の作品
住所:〒467-840 京畿道利川市新屯面水廣里318-3
電話:031-632-7173,031-632-7455 FAX:031-632-7454
私が訪問した時には登り窯に火を入れるのを見ることはできませんでしたが、ここ恒山陶窯に連絡先を登録して置くと窯から陶磁器を出す日を教えてくれるそうです。ソウルから利川陶磁器村へ行くには、ソウルの東バスターミナル(동서울버스터미널)から利川までの高速バスに乗り、利川市からタクシーで約20~30分ほどかかります。もし利川へ行く機会がありましたら利川市内にあるミランダホテル内の利川温泉とここ陶芸村も旅行してみてください。※ 深泉陶窯(심천도요)
利川温泉
利川温泉(이천 온천)は水温30℃, pH 8.3のアルカリー性単純泉でナトリウムイオンが多く含まれている。溶出量は一日6,500ℓくらいで加熱して使っている。利川温泉(이천온천)は、皮膚の病気、神経痛、婦人病などに効果があると言われている。昔目の病気を持っていたある百姓がこの温泉水で洗顔し治ってから知られ始めたと言う。1930年12月に驪州(여주)のお米を輸送するため水原から驪州を結ぶ鉄道(水驪線)ができ交通が便利になり、1930年代半ばから日本人によって開発されたのを1960年代末から京畿道が本格的に開発し設備を整えた。
利川温泉は泉質はそれほど優れていないけど首都圏唯一の温泉でソウルから1時間というアクセスの利便性に加え、龍仁市にある遊園地(Ever Land)、驪州市の世宗大王の墓(英陵:영릉)や名刹(神勒寺:신륵사)などがあり観光を兼ねた温泉町として脚光を浴びています。※利川温泉は、ミランダホテルがスパープラス(Spa Plus)という名前で運営しています。
・利川陶磁器祭り:毎年5月に開催されるまつりで陶磁器作りの体験ができます。
・海剛高麗青磁美術館:海剛柳根瀅(유근형)氏が1960年に設立した高麗青磁研究所。