サヌリム(산울림)の紹介
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<サヌリム3兄弟> |
サヌリムは、1977年に1集アルバムの中で、そのタイトル曲である「アニボルソ:おや、もう朝?」で斬新なデビューをしました。それまでの韓国音楽をひっくり返すような斬新さで大ブレイクしたのです。サヌリムのメンバー構成は、3人とも実の兄弟で、長男のキム・チャンワン(Guitar&Vocal)がグループのリーダーであり、サヌリムの13集の定期アルバムの中で一番多くの曲を作曲・作詞しました。次男のキム・チャンフン(Bass&Vocal)は、1977年の大学歌謡祭の代償受賞曲である「ナオトッケ」の作曲者で、リーダーのキム・チャンワンに次いで多くの曲を作りました。そして作曲の数は殆どない3男のキム・チャンイク(Drum&BackVocal)です。サヌリムの曲を試聴(視聴)しながら韓国の良い音楽をゆっくり感じて見てください。
サヌリムのデビューについて「斬新なデビュー」と言いましたが、その理由についてはサヌリムの音楽(歌詞を含めて)を直接聞いて見ない限り、正確には伝わらないと思います。韓国では1975年から元大統領(朴・正フィ)による芸術規制によりシン・ジュンヒョンのようなミュージシャンが音楽界から消えて行くようになりました。この規制は唱法不良、歌詞定足などの名目で多くの歌手たちがその音楽活動が出来なくなり、韓国音楽はトロット(演歌)一色になったのです。演歌と言ったらそのメロディーはもちろんのこと、歌詞も殆どが恋愛に関係するものですが、1977年のサヌリムのデビュー曲である「アニボルソ」は、リズムやメロディーさらに歌詞まで今までに無い斬新な音楽で現れたのです。ここでまずサヌリムファーストアルバムでタイトル曲である「アニボルソ:おや、もう朝?」を聞いてみましょう。
アニボルソの試聴 :(歌詞) おや、もう日が昇ったのかい? 窓の外が明るくなってるよ 朝を歩く足は軽く みんな一緒に鼻歌(?)を口ずさみながら 明るい一日を迎える上ずった気持ちで胸はいっぱい あらゆるところで擦れ違う懐かしい視線で道が溢れるね おや、もう夜が更けたのかい? 本当に時間が経つのに気が付かなかったよ 日の暮れた道を照らす 街路灯が白く咲いたよ
サヌリムの音楽について私に言わせてもらうと、不純物が感じられない、純粋な歌詞、透明な音色などと表現したいです。
昔はサヌリムをあまり知らなくてそれほど興味を持たなかったのですが、それでも嫌だとは思わなかったです。正直に言うと1977年から10年の間は、私は小学生から高校生の時代だったので、外国のロックを主に聞いていました。それでもサヌリムの曲のいくつかは好きだったのですが、その一番の理由は歌詞が良かったからです。それまでの韓国の歌は恋愛をテーマとした曲が多く、恋愛経験のないうぶな私には馬鹿らしい話に過ぎなかったのです。
しかし、サヌリムの曲にはあまり恋愛をテーマにした歌はなかったし、あったとしても「愛してるよ」みたいな馬鹿らしい曲は一つもありません。韓国歌手の中で愛について一番良く歌っていたのはキム・ヒョンシクだと思っていますが、彼の曲で一番有名なのが「愛していましたよ」でした。もしこの曲の名前が「愛しているよ」だったらそんなに受けなかったでしょう。話がちょっとずれてしまいましたが、要するに愛に付いてあまり歌わなく、歌ったとしてもストレートには表現しない、なのがサヌリムの一番の良さでした。
最近発見したのですが、韓国ロックのゴッドファザーとも言われているあのシン・ジュンヒョンの音楽も、歌詞を良く吟味して見ると素晴らしいです。愛を歌っていても他人とは違った歌詞で歌うのが魅力ですね。
サヌリムは、キム・チャンワン、キム・チャンフン、それとだれだっけ・・・とにかく実の3兄弟で構成されたバンドです。1977年に「アニボルソ」でデビューしたのですが、デビュー前にすでに100曲以上を作っていたそうで、サヌリムの1集~10集くらいまでは、殆どがデビュー4、5年の間に発表されたと覚えています。面白いのは、1集アルバムから順番に作られたわけではありません。弟達が兵隊に行く間は、長男だけが音楽活動を続けていて、サヌリムの名でアルバムを出していたのですが、デビュー前にすでに100曲以上を作っていたので、弟達が復帰してから出したアルバムが、発売は遅くても作られた年は早かったりもします。
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