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朝鮮の官職と品階

朝鮮の官職は正一品から従一品まで全部で18階級に分かれていた。下の表は韓国の歴史ドラマを見る時に理解しやすくするために王と王族そして宮廷の女を中心に地位を説明したものです。

内命婦と外命婦

内命婦は朝鮮時代に宮廷に住む女性の中で品階(地位)をもらった女性の総称である。内命婦と外命婦の第一人者は王妃であり、王も内命婦と外命婦のことは深く関与しないのが普通だった。内命婦の女性群は①王妃、②内官(後宮・側室)、③宮官(宮女)のように大きく三つに分けられる。王妃は王と同じく無階で、後宮(側室)の最高の地位は正一品の嬪だった。

宮女のうち王の夜に仕えた女は従四品の淑媛になれた、いわば後宮の下っ端なのだ。このように王によって選ばれるのを「王の承恩を受けた」と言う。この後王の子供を妊娠したり、後継者を出産したりするたびに品階が上に上がって行き、後継ぎの王子を産み後継者として発表されると最高地位の王妃になるのが一般的。しかし王の女になれず、つまり王の承恩を受けられなかった宮女として上り詰められる最高の地位は正五品の尚宮までだった。

内官(後宮)になるのは二つに分けられていた。まず良い家門の娘を王の後継ぎのために禁婚礼を出して選ぶ方法がありこれを「揀択」と言う。この場合の女性は良い家門の人なので従一品の貴人の品階から始めるのが普通。2番目は宮廷で働く女性(宮女)のうち王の目に入り承恩尚宮からはじめるケースだった。宮女は一般的に12~13才で宮廷に入り、20才前後で正式に宮女になる。この後15年くらい働いて宮女として最高の地位の尚宮になれたが、途中で王の承恩を受けると尚宮になり王に仕える仕事のみするようになる。こんな尚宮を承恩尚宮と言う。この承恩尚宮が王の子供を生むと内官(後宮)の従四品の淑媛になる。

外命婦は王族の女性や功臣の妻や母、そして王の娘と王子の娘などの総称である。

 

呼称 官階
品階 宗親 内命婦 外命婦 文武官 議政府 六曹 禮曹 その他一般
王宮 世子宮 所生 宗親妻 文武官妻 東班 西班 芸文館 春秋館
堂上官 大監 無階 大君・王子君 公主・翁主                  
正一品 君・顕禄大夫・興禄大夫     府夫人(大君妻)
郡夫人(王子君妻)
府夫人(王妃母)
貞敬夫人
大匡輔国崇禄大夫
輔国崇禄大夫
領議政・左議政・右議政   領事 領事 都提調・領事
従一品 君・昭徳大夫・嘉徳大夫 貴人     郡夫人 貞敬夫人・奉保夫人(大殿乳母) 崇禄大夫・崇政大夫 左讚成・右讚成       提調
正二品 君・崇憲大夫・承憲大夫 昭儀   郡主 県夫人 貞夫人 正憲大夫・資憲大夫 左参賛・
右参賛
判書 大提学 知事 提調・判書
令監 従二品 君・中義大夫・正義大夫 淑儀 良娣 県主 県夫人 貞夫人 嘉義大夫・嘉靖大夫・嘉善大夫   参判 提学 同知事 参判・観察使・兵馬節度使・府尹
正三品 堂上官
以上
都正・
明善大夫
昭容     慎夫人 淑夫人 通政大父 折衝将軍   参議   修撰館 参議・都承旨・水軍節度使
堂下官・参上 進賜 堂下官
以下
正・彰善大夫     慎人 淑人 通訓大夫 禦侮将軍     直提学 編修館 牧使
従三品 副正・保信大夫・資信大夫 淑容 良媛   惠人 淑人 中直大夫・中訓大夫 建功将軍・保功将軍       編修館 都護府使
正四品 守・宣徽大夫・広徽大夫 昭媛     惠人 令人 奉正大夫・奉列大夫 振威将軍・昭威将軍 舍人   応敎 編修館  
従四品 副守・奉成大夫・光成大夫 淑媛 承徽   温人 令人 朝散大夫・朝奉大夫 定略将軍・宣略将軍       編修館 郡守・水軍万戶・兵馬万戶
正五品 令・通直郞・秉直郞 尚宮・尚儀     温人 恭人 通徳郞・通善郞 果毅校将・忠毅校将 検詳     記注官 正郞
従五品 副令・謹節郞・慎節郞 尚服・尚食 昭訓   順人 恭人 奉直郞・奉訓郞 顕信校尉・彰信校尉       記注官 判官・判尹
正六品 執順郞・從順郞 尚寝・尚功     順人 宣人 承議郞・承訓郞 敦勇校尉・進勇校尉       記事官  
従六品   尚正・尚記 守閨・守則     宣人 宣敎郞・宣務郞 励節校尉・秉節校尉       記事官 県監
参下 正七品   典賓・典依・典膳       安人 務功郞 迪順副尉     奉敎 記事官 博士
従七品   典設・典製・典言 掌饌・掌正     安人 啓功郞 奮順副尉       記事官  
正八品   典賛・典飾・典薬       端人 通仕郞 承義副尉 司錄   待敎 記事官  
従八品   典燈・典彩・典正 掌縫・掌書     端人 承仕郞 修義副尉       記事官 奉事
正九品   奏宮・奏商・奏角       孺人 從仕郞 效力副尉     検閲 記事官  
従九品   奏変撤・奏緻・奏羽・奏変宮 掌蔵・掌食・掌医     孺人 将仕郞 展力副尉         参奉

史官

朝鮮時代に歴史を記録する職人のことを史官(春秋館)と言う。この史官は8人くらいの規模で他の仕事を兼職していた。このうち記事官(正六品~正九品)という職人は2人組で王の職務や会議など王の一挙手一投足を記録し、これを元に朝鮮王朝実録(世界記録遺産)を作成した。(2016.1.14)