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コロナと選挙とアン・チファン

By 竹下南

 韓国では新型コロナウイルス禍が続くなか、総選挙が行われ与党が66.2%という高投票率を得て圧勝した。

 この選挙の様子は日本でもテレビ放映され、私も興味深くわが国と比較しながら見守っていた。

 日本では韓国における一連のコロナウイルス対策に関して当初は懐疑的だった。「ドライブスルーPCR検査」、スマホによる「位置情報」の確認、市中の消毒作業等々。まさに韓国の“やり過ぎ感”を嘲笑交じりに報道していたが、現在では一転して「コロナ対策のモデル」と高く評価され、遅まきながら韓国方式を取り入れる話も進んできている。

 韓国は2015年に起きたMERSの経験から、検査能力を徹底的に整備・開発したそうだ。その結果すべてを情報公開して市民の不安解消を図るツールを開発した。つまり何時・何処で・何をしたかが逐一中央機関(厚生省?)に把握され、それに従い感染者のルートが割れだされて1次感染者から2次感染へのルートを防ぐことができるのだという。こんなに何もかも当局に把握されていて不安はないのかと思うが、きっと信頼関係が篤いのだろう。

 その他病院とは別に設けられた選別診療所があり、それによってコロナ患者の陽性・陰性が早急に判別でき、徹底的に陽性患者の隔離が行われる。しかも1月の終わりにはこれらの設備が設置されたというから万全の取り組みを韓国政府としてはやったことになる。

 その結果が文大統領率いる与党の圧倒的勝利ということで、コロナ対策が評価されたことは間違いない、と言える。日本からすれば実にうらやましい。

 それに比べて、日本の与党自民党政権はやる事・なす事“ひどい”の一言。未だに国民がpcr検査をしたくても出来ないし、マスク不足はもとより、医療崩壊の現実も甚だしい状況だ。自粛=給与補償も遅れにおくれている。

 地球が狭くなって簡単に世界中の人々が行きかう時代、「感染者」も世界中を闊歩する。
 これではオリンピックも今後手を挙げる国は無くなるかもしれない。

 そしてやはり、私としてはアン・チファンのコンサートが無くなったのは残念の一言だ。

 アン・チファンの昔からのファンにとっては日本で彼の歌声を聴くことができるなんて、夢のようだったのに…。

 “彼はまだ歌っているのだ”“どんな声で?”“どんな表情で?”

 MCスナイパーのラップバージョンでの「솔아솔아 푸르른 솔아」も好きだけど…

 なので、せめて昔ソウルで買ったCDを聴いてコロナを忘れることにしょう、と思う。

アン・チファンの『솔아솔아 푸르른 솔아』

2020.4.26

言葉の勉強

コロナウイルス禍(か):「災(わざわ)い」は、「天災」など、主に「防ぎようのない元凶によりもたらされもの」に使われる漢字、 それに対し「禍(わざわい)」は「舌禍」など、主に「人為的ミスなどにより発生した凶事」に使われる。

かいぎ(懐疑)、ちょうしょう(嘲笑)、あつい(篤い)