久しぶりに韓国ドラマにハマってしまった

By 竹下南

久しぶりに韓国ドラマにハマってしまった。

15年前に放送されて当時最高視聴率37・9％を得たドラマ『シークレット・ガーデン』だ。

『愛の不時着』ですっかりヒョンビン・ファンとなり、彼の他の出演作を探していたところ、この「シークレット・ガーデン」に出会った。 韓国ドラマはとかく長丁場で、今まで途中で挫折することが多かったが、このドラマは違った。 それどころかなんと全20話を一気見してしまうほどのほれ込みようで、ノベライズ本上下巻、OSTも買い揃え、その熱中ぶりに我ながら驚いている。

さて、なぜこれほどまで夢中になったのか。

まずヒョンビンの魅力があげられよう。財閥一族の鼻持ちならない御曹司役をヒヨンビンはデパート社長キム・ジュウォンとして颯爽と演じ、 週に2日だけの出勤スタイルは御曹司社長ならではの権利として、重要なストーリー展開に役立っている。 つまり社長という重職にありながら恋愛にタップリと時間を割くことができるというわけだ。

これにたいして、ハ・ジウォン演じるスタント・ウーマン、キル・ライムは財閥一族と対極にある下流階級出身の女性。 自分の才能を信じて将来を懸命に切り拓いていく姿は、たくましくも美しく、財閥御曹司のひ弱さとは対照的だ。 ドラマ終盤にジュウォンと結ばれた後も、子育てをしながらスタントの仕事を続け、監督としてアクションスクールを率いる立場となっていく。 3人の子供たちにも働いて得るお金のありがたみを教えたり、財閥の妻に甘んじない生き方はカッコよく新鮮だ。 （財閥の後ろだてあってのことだろうけど…まァ、いいか…）

もう一つ、このドラマが私をとらえたことに広大な敷地に建つ白亜の大邸宅の美しさがある。 すべて“白”で統一され、外の雪景色と相まってなんともロマンチックな雰囲気だ。 こんなにも広々とした大邸宅に住めるのはやはり財閥一族だから、と庶民との違いを見せつけられる一方で、 この非現実的空間の存在はジュウォンの過去による閉所恐怖症からきていることがストーリーが進むにつれてわかってくる。 あることがきっかけで、体が入れ替わる二人だけれど、ファンタジックな描き方も韓国ドラマならではのこととして頷ける。

それにしても森に囲まれた白亜の大邸宅。美し過ぎる“家”と“庭”はまさしく「シークレット・ガーデン」そのものだ。 原作者はこの家をロケハンした際に物語の着想を得たのだろうか。それともこれは美術監督のなせる業なのか…。

実際にはこの建物は健康食品、化粧品などのマイム・ビジョン・ビレッツジというマイムグループの社員研修施設で、他のドラマにもよく使われているそうである。

最後に、この夢の世界でキル・ライムが堂々と財閥夫人に叩きつけるセリフが小気味いい。 「別れることはできません」、「変わった息子さんですね。乱暴な私が可愛く見えるそうです」、デパート社員のことで「また、人事介入したら労組に告発します」などなど。 そしてバックには美しいＯＳＴがながれてゆく…

まさしく目から、耳から視聴者を虜にする韓国エンタメ界のすごさをあらためて気づかされた久々の韓国ドラマだった。

2025.2.23

言葉の勉強

長丁場／長町場（ながちょうば）: 宿場と宿場の間の距離が長いこと、または長い道のり. きびしい仕事などが長く続くこと、または長い時間がかかるものごと. 歌舞伎の脚本用語で、長く時間のかかる場面.
「長丁場」の類義語には、「長い間」「長期にわたって」「長らく」「永らく」「ずっと」などがあります。
「長丁場」の用例は次のとおりです。
「基礎調査の—を乗り切る」
「きのうきんざいゆきの—にて」〈魯文・安愚楽鍋〉

ノベライズ（novelize）は英語で「小説化する」という意味の動詞です。

颯爽（さっそう）とは人の姿や態度・行動がきりっとして、見る人にさわやかな印象を与えるさま。

終盤（しゅうばん）

時間を割く（じかんをさく） とは余裕のない時間を都合つけて、あることのためにふり向ける。「—・いて人と会う」

はく‐あ【白亜・白堊】 · 〘 名詞 〙 · イギリス・フランス・アメリカなどの白亜系から産する灰白色のもろい泥灰岩。有孔虫その他貝類の化石を含む。チョーク。白墨

閉所恐怖症 へいしょきょうふしょう

頷ける／首肯ける（うなずける）

「ロケハン」とは、「ロケーション・ハンティング」という言葉の略で、写真や映像を実際に撮影する前に、撮影で使用する場所を事前に下見することを指します。

着想（ちゃくそう）

「成せる業」は、特定の人だからこそできること、その人の徳の高さによって物事がなし得られたことを意味する表現です。
【「成せる業」の類義語】ならではの、だからこそ、 なせるわざ。
【「成せる業」の例文】
「人徳のなせる業」は、その人の徳の高さのおかげで物事がなし得たときに使われる言葉です。
「人徳が高いからこそ、このようなことを起こせた」と好意的な表現として使われます。

「小気味いい」は「こきみよい」と読みます。
「小気味いい」の意味は、気持ちや心地がよい、楽しい、愉快、悦ばしいなどです。
「小気味いい」の語源は「気味（ものに感じる気持ち）がいい」で、「こ」は接頭語でやや強める働きを示しています。
「小気味いい」の類義語には、次のようなものがあります。
楽しい、おもろい、愉快、悦ばしい、心嬉しい、 愉しい。

コロナウイルス禍（か）：「災（わざわ）い」は、「天災」など、主に「防ぎようのない元凶によりもたらされもの」に使われる漢字、 それに対し「禍（わざわい）」は「舌禍」など、主に「人為的ミスなどにより発生した凶事」に使われる。

かいぎ（懐疑）、ちょうしょう（嘲笑）、あつい（篤い）