慶州歴史遺跡地区
紀元前6世紀、インドで発生した仏教は広大な大陸と千年の時間を超え、韓半島の南、慶州(경주)で華麗な文化の花を咲かせました。紀元前57年から935年までの千年間、古代国家新羅(신라)の首都だった慶州は6世紀に仏教を国教として受け入れ、世界史に残る独特な古代文化を築き上げました。大きい岩に仏の姿を刻み込み、至るところに塔を建てた新羅の人々。彼らが生きた千年の古都慶州は、都市全体が巨大な寺院であり、仏の微笑みが思い浮かぶ西方浄土だったのです。南山(남산)をはじめ、5つの地区に分かれている慶州の歴史遺跡地区は、世界的に有名な日本の京都や奈良に比べても、遺跡の密集度と多様性において引けを取らない素晴らしい遺産として評価されています。
月城地区 月城(월성)は新羅の王宮の跡で、当時の様子が一番よく残っています。月城王宮跡周辺には、王や貴族のために作られた宴会場である臨海殿(임해전)の跡や人工の池である雁鴨池(안압지)、東洋で一番古い天文台である瞻星台(첨성대)など、新羅の有名な遺跡が散在しています。
大陵苑地区 慶州市内を歩いていると建物の間に23基の巨大な古墳が見えてきます。それぞれ皇南里古墳群、魯洞里古墳群、路西里古墳群と呼ばれているこれらの古墳群は、全て新羅王朝の墓です。発掘調査によって出土した黄金の王冠やガラス製品、様々な形の土器などの福葬品から新羅人の文化と生活ぶりがうかがえます。
皇龍寺地区 皇龍寺(황룡사)地区には、7世紀半ばに創建された芬皇寺(분황사)と、巨大な幢竿支柱(당간지주)からその規模が想像できる皇龍寺の跡があります。13世紀、モンゴルの侵略によって焼失した皇龍寺は、発掘調査を通じて東西288m、南北281mほどの規模を誇る大きい寺院だったことが分かっています。
南山地区
新羅の始祖の誕生説話が伝わり、仏が生きている神妙な山として祀られていた慶州の南山(남산)は、新羅の人々にとっては巨大な寺院と同じだったのです。東西4km、南北10kmほどのそれほど大きくもない山ですが、その中に147の寺院跡や118あまりの仏像、96の塔など672点の文化財が残っている文化遺産の宝庫です。
山城地区
山城地区では、新羅の都だった慶州を守るために築かれた防御施設である山城が見られます。西暦400年以前に築かれたものと思われる明活山城をはじめ、西兄山城、南山城などは千年が過ぎたいまでもその形跡をとどめており、新羅時代の山城の様子を物語っています。
慶州への行き方
■ ソウルから慶州へ行く場合
①ソウル江南高速バスターミナル(京釜線高速バスターミナル)から30分置きに高速バスがあります。
②ソウル駅始発の京釜線列車の中に慶州駅行きの列車がありますが乗り換えなしの直行便は少ないです。大邱駅(대구역)で慶州駅行きの列車に乗り換える方法もあります。
③ソウルの清涼里駅(청량리역)始発の中央線が慶州駅まで行きますが6時間以上かかります。
■ 釜山から慶州へ行く場合
①釜山市内の釜田駅(부전역)から東海南部線列車に乗ると約1時間30分くらいで慶州駅に着きます。
②釜山総合バスターミナルから慶州行きのバスがあります。(所要時間約1時間)
※韓国のバス利用案内ページ ※ <韓国世界遺産地図拡大> |