海印寺蔵経板殿
高麗の人々は13世紀、東アジア地域に存在していたあらゆる仏教経典を集大成し、8万枚あまりの木版に刻み込んで大蔵経板(대장경)を完成させました。これが現在、世界最古かつ正確でもっとも完璧な仏教経典として認められている高麗大蔵経(고려대장경)です。13世紀末、ユーラシア大陸を制覇した後、韓半島に目を向けたモンゴルの侵略を阻止するため、仏の力を借りて国を守ろうとした高麗の人々は蔵経板殿を建て、大切な大蔵経板を保管しました。
※大蔵経:釈迦の教えを記録した経典と戒律、その内容について後世の人たちのために書かれた注釈書、理論書などを集大成した仏教経典の総書。経・律・論の三蔵を中心に、それらの注釈書を加えたもの。 海印寺と蔵経板殿 海印寺(해인사)の境内にある蔵経板殿(장경판전)は、高麗大蔵経板を保護するために建てられた建物で、15世紀頃に建築されたと推定されています。世界唯一の大蔵経板保存用の建物である蔵経板殿は装飾を控え、自然環境を最大限に利用して設計された科学的な建物としても知られています。8万枚あまりに達する木板が現在まで1枚も腐ったりねじれたりすることなく保存されていて、世界的な保存科学の所産であると評価されています。
高麗大蔵経板
蔵経板殿の内部と高麗大蔵経
81258枚の木板に経典を刻み込んだ高麗大蔵経板は、仏の力で国を守れると信じた高麗の人々の信仰が作り出した偉大な文化遺産です。当時、高麗大蔵経を作るために数千冊に及ぶ経典を東アジア各国から取り寄せ、内容を見比べながら校正を経て完成させていく過程が、30冊分の記録物として残されています。高麗大蔵経板は世界遺産とは別にユネスコ世界記録遺産として登録されています。
※世界記録遺産:国境を越え、世界的な価値が認められた記録をユネスコが指定し、最も適切な技術を通じて保存する遺産。
海印寺への行き方
①まず大邱(대구)で行った方が一番便利。ソウルまたは釜山から電車で大邱市まで行く。大邱駅または東大邱駅から地下鉄に乗って성당못역(聖堂池駅)に降りて3番出口を出ると大邱西部停留場(대구서부정류장:西部市外バスターミナルとも言う)がある。ここから15分置きに海印寺行きのバスがある。直行バスもあるが毎時40分以後にある。②晋州(진주)からもバスが1時間置きにあるけど、2時間30分もかかるので辞めた方がいい。
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