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仏国寺と石窟庵

新羅（신라）文化の黄金期ともいえる8世紀の半ば、仏教文化の傑作と評される仏国寺と石窟庵が誕生しました。慶州吐含山（경주 토함산）の中腹にある仏国寺と石窟庵は、新羅の人々が心に描いていた仏の国を現実の世界に再現した寺院です。仏教の経典である法華経に基づいて作られた仏国寺は釈迦の国を、人工の洞窟を作って円形の主室の中央に祭られた高さ350cmの石窟庵の仏像は、絶対的な悟りを得た瞬間の微笑を再現しています。新羅の人々は、目に見えない宗教の世界を独特な建築技術と美しい彫刻品で形象化することで、理想の世界を現実の世界に造りだしました。

仏国寺（불국사）

新羅の人々は、理想的な仏の国を人間の世界に再現するために仏国寺を建立しました。平らな高台の上に殿閣を建てた仏国寺は、法華経の教えに従って人間の世界、極楽の世界、涅槃（ねはん）の世界の3つに分けて作られた文字通りの仏国土であります。

※涅槃：煩悩(ぼんのう)の火を消して、知慧(ちえ)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。

石窟庵（석굴암）

石窟庵は人工の石窟寺院で、石室の壁面に沿って刻み込まれた彫刻と中央の本尊仏が作り出す空間は、釈迦が悟りを得た瞬間を完璧に再現しています。特に、360枚あまりの板石で作られた円形の主室のドーム型天井は、8世紀半ばの新羅人の科学水準を物語る建築技法として知られています。

仏国寺への行き方

①慶州市内（慶州駅またはバスターミナル）から仏国寺行きのバスがあります。バスの場合、一般バスは10番バス、11番バス、座席バスは101番バスと102番バスが仏国寺行きのバスです。石窟庵へ行くためにはまず仏国寺まで行ってそこから30分ほど歩いて行くことになっています。

②釜山から東海南部線という列車に乗ると仏国寺駅まで行くことも可能です。